毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

若田光一氏、国際宇宙ステーションの船長に就任

宇宙飛行士の若田光一氏が米国で8月30日記者会見を行った事が報道された。

宇宙滞在4回目、今回は2013年11月から2014年5月まで国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する予定で今回はISSのコマンダー(船長)も務める予定との事である。ISSは1998年から建設が進められている世界15ヵ国による国際協力プロジェクト、6名の宇宙飛行士が長期滞在し実験・観測を行う宇宙実験施設だそうである。

国際宇宙ステーションとはなにか―仕組みと宇宙飛行士の仕事 (ブルーバックス)

 この本で若田氏は一般の人向けにISSの仕組みと自分のキャリア」を説明している。よく整理されていて私の為に報告書を書いて貰った様なもので楽しく読む事が出来ました。

 若田氏が本書で英語で引用しているフレーズを紹介します。

Aviate,Navigate,Communication(操縦、航法、交信):(125ページ)

 T-38ジェット練習機の操作の基本について操縦はジェット機の操縦、航法はGPSなど周辺情報の整理、交信は基地との通信、各作業に優先順位を明確にして状況把握に努める事の大切さを説明しています。

Better sounds good than feels good(自分自身が心地よく感じるより、相手に自分の状態が良好であると感じてもらう方が大切):(132ページ)

 チームの士気を維持する「肝っ玉母さん」的リーダー論を展開しています。

Good enough is Good enought,to be better is an enemy.(必要以上により良いものを求めるのは敵である):(227ページ)

 ミッション遂行に必要なシステムを無駄なく開発する際の考え方の基本

Question and do not defend.(疑問に思った事は聞く、守りに入らない):(254ページ)

世界の舞台で活躍する為に必要な交渉能力についてこのフレーズで説明しています。

 

 話を変えて夢の実現、という観点から若田氏のエピソードを一つ紹介します。

 「たかがが語学、されど語学」というタイトルで若田氏が13歳の時のホームステーで英語が通じかなった経験を35年後に文章(185ページ)にしている事に人間の持つ潜在能力を感じた。中学生の若田氏の夢は飛行機のエンジニアになる事だったそうである。

 

蛇足

日本はISSの「きぼう」運用の為に2010年まで2,500億円、以降毎年400億円の予算を消化しています。