毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

ハイテク企業に重要なのは技術か、マーケティングか?~『インテル 世界で最も重要な会社の産業史』M・マローン氏(2015)

インテル 世界で最も重要な会社の産業史 「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」つまり「コンピュータの処理能力は指数関数的に向上していく」、1965年、インテルの創業者であるゴードン・ムーア博士が発表した論文に書かれていた半導体の能力に関する洞…

そもそも失敗の存在に気づいているか?~『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』Mサイド氏(2016)

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織 サイド氏は英国のコラムニスト、ライター、だから人は、同じ過ちを繰り返す――。(2016) 医療過誤は死因の第3位 1999年、米国医学研究所は「人は誰でも間違える」と題した画期的な調査レポートを発表した…

毎日進化すれば、1番になれる~『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA』三木雄信氏

孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術 三木氏はソフトバンク社長室長を経て、事業化として独立。孫正義社長のどんなむちゃぶりにも答えるために必要だったのが、超スピードで、かつ確実に成…

来世信仰たるキリスト教と資本主義はどうして共振するのか?~『「棲み分け」の世界史』下田淳氏(2014)

「棲み分け」の世界史―欧米はなぜ覇権を握ったのか (NHKブックス No.1222) 下田氏はドイツ史・ヨーロッパ史の研究家、かつて文明に程遠い周縁の地であったヨーロッパが武力によって世界を支配して以降、国際秩序に変化はない。彼らの飛躍的発展を可能にした…

あなたの業界にフリーランスがやってくる~『フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方』筒井 冨美氏(2017)

フリーランス女医は見た 医者の稼ぎ方 (光文社新書) 筒井氏はフリーランスの麻酔医、大学病院の教授の権威は失墜し、野心溢れる若手医師が目指す存在ではなくなった。専門的なスキルを売りにして腕一本で高額な報酬を得るフリーランス医師は、 病院にとって…

現代科学の特徴は何か?~『科学の発見』S・ワインバーグ氏(2016)

科学の発見 ワインバーグ氏は素粒子物理学の研究家、1979年ノーベル賞受賞。「美しくあれかし」というイデアから論理を打ち立てたギリシャの時代の哲学がいかに科学ではないか。(2016) 物理学の目標とは何か? 物理学の目標および標準はその間(過去百年単…

この世の法則、科学では因果律といい、仏教では縁起、という~『 真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話』佐々木閑氏×大栗博司氏(2016)

真理の探究 仏教と宇宙物理学の対話 (幻冬舎新書) 佐々木氏は仏教哲学、大栗氏は素粒子論、の研究家。 心の働きを微細に観察し、人間の真理を追究した釈迦の仏教。 自然法則の発見を通して、宇宙の真理を追究した近代科学。 アプローチこそ違うが、この世の…

仏教用語「空」と数字「0」は語源が同じだった~『 運が99%戦略は1% インド人の超発想法』山田真美氏(2016)

運が99%戦略は1% インド人の超発想法 (講談社+α新書) 山田氏はインド神話の研究家、30年に渡りインドと向き合ってきた。本書はインドと日本の比較文化論。(2016) 0はインド人の発見 よく知られているように、「0」の発見はインド人の偉業である。・…

人生という長旅を謳歌する方法~『いちばん危険なトイレといちばんの星空―世界9万5000km自転車ひとり旅』石田ゆうすけ氏(2010)

いちばん危険なトイレといちばんの星空―世界9万5000km自転車ひとり旅〈2〉 (幻冬舎文庫) 7年半もぶっ通しで、自転車で世界を旅した著者。行かずに死ねるか、の続編(2010) 旅のマンネリ化 南米では旅は2年目を迎えた。1年というひとつの区切りを終え、さら…

人類はいつからコンクリートを使っているか?~『 コンクリートなんでも小事典』土木学会関西支部

コンクリートなんでも小事典―固まるしくみから、強さの秘密まで (ブルーバックス) コンクリートは 維持管理をきちんとすれば、構造物を100年もたせることも可能。(2008) コンクリートはなぜ固まるか セメントの原料には、主に石灰石と粘土、そして少量のけ…

ネットの会話とは、居酒屋の会話の様なもの~「ウェブはバカと暇人のもの」中川淳一郎

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書) 中川氏はトニュースサイトの編集者、普及しすぎて、いまやバカの暇潰し道具だ。(2009) テレビの時代は本当に終わったのか? 少なくとも日本の場合、結局これが真実だ。 ・最強メディアは地上波テレビ。彼らが最強で…

すみません、どうしても仕事がうまくできません~『 不格好経営―チームDeNAの挑戦』南場 智子氏(2013)

不格好経営―チームDeNAの挑戦 南場氏は1999年DeNAを設立、経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に。」――創業者が初めて明かす、奮闘の舞台裏。(2013) すみません、どうしても仕事がうまくできません (最も…

イスラム教のモスクはどうやって誕生したか?~『 増補 モスクが語るイスラム史: 建築と政治権力』羽田 正 氏(2016)

増補 モスクが語るイスラム史: 建築と政治権力 (ちくま学芸文庫) 羽田氏は歴史学の研究家、モスクは単なる「祈りの場」ではない。人々の社交の中心であり、教育施設、宿泊所、そして政治活動の舞台など、多様な役割を担ってきた。(2016) 最初のモスク 622…

コピーのどこがいけないのか?~『シミュレーショニズム』椹木 野衣氏(2001)

シミュレーショニズム (ちくま学芸文庫) 椹木氏は美術評論家、恐れることはない、とにかく「盗め!」世界はそれを手当たり次第にサンプリングし、ずたずたにカットアップし、飽くことなくリミックスするために転がっている素材のようなものだ―(2001) 戦後の…

あなたの仕事は楽しいですか?~『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』N・ドシ氏×L/マクレガー氏(2016)

マッキンゼー流 最高の社風のつくり方 社員が生き残りをかけて同僚と戦うか,それとも勝つために競合他社と戦うか,それを決めるのは「社風」だ !(2016) 社風の良い会社 (米国のスーパーマーケットチェーンである)ホールフーズ社の社風に特別な力があるのは…

”生きているだけで丸儲け by さんま”を実践するには、、、~『 まだ「会社」にいるの? 』山口揚平氏(2013)

まだ「会社」にいるの? ~「独立前夜」にしておきたいこと~ 山口氏は金融出身のコンサルタント、「会社を辞めたい、でも辞める勇気がない」そんなジレンマを抱える人にの背中をそっと押したくて、 僕はこの本を書きはじめました。(2013) 能力を高めるより期…

無頼とはルーティーンに埋没しない人のこと~『 ヤクザと日本―近代の無頼』宮崎学氏(2008)

ヤクザと日本―近代の無頼 (ちくま新書) 宮崎氏はノンフィクション作家、ヤクザとは、法の支配がおよばない炭鉱・港湾などの最底辺社会に生きた者たちが、生きんがために集まり発展したのが近代ヤクザの始まりといえる。(2008) 1884年賭博犯処分規則が布告…

ストップウォッチを持って仕事をしたことがありますか?~『 生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』伊賀泰代氏(2016)

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの 伊賀氏はキャリア形成コンサルタント、日本企業は生産現場での高い生産性を誇ったが、ホワイトカラーの生産性が圧倒的に低く世界から取り残された原因となっている。(2016) 生産性とは生産現場だけのも…

人はなぜコレクターになるのか?~『 現代美術コレクター』高橋龍太郎氏(2016)

現代美術コレクター (講談社現代新書) 高橋氏は精神科医、1997年から現代美術の収集を始め、全国でコレクション展を毎年開催するほどの重要なコレクションを築き上げる。(2016) なぜ人は美を求めるのか? 人類は類的存在だと言われている。これは単独でし…

マネージャ―は部下に任せるのが本当にいいのか?~『HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント 』A・S・グローブ氏(2017)

HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント インテル元CEOのアンディ・グローブが、後進の起業家、経営者、マネジャーに向けて、一字一句書き下した傑作。(原書は1984年、復刊は2017) 部下をどうやってマネージするか? マネージャー…

250年前、チェス指しロボットが存在していた!?~『 謎のチェス指し人形「ターク」』T・スタンデージ氏(2011)

謎のチェス指し人形「ターク」 スタンデージ氏は作家、1770年、ウィーンで常軌を逸した発明がベールを脱いだ。通称「ターク(トルコ人)」というロボットは、世界第一級のチェスの指し手だった! (2011) チェス指し人形「ターク」の誕生 1769年の秋のある…

いつ、カースト制度はインド社会に導入されたのか?~『 インド人の謎』拓 徹氏(2016)

インド人の謎 (星海社新書) 拓氏は現代カシミールの社会史・政治史の研究家、混沌のインドはいつから混沌のインドになったか?(2016) カースト制度はイギリスが再定義した 広大なインド亜大陸を統治するにあたり、イギリス政府にはインド社会の性格を理解…

どうしてヒトの脳は大きくなったのか?~『幼児化するヒト - 「永遠のコドモ」進化論』C・ブロムホール氏(2005)

幼児化するヒト - 「永遠のコドモ」進化論 ブロムホール氏は動物行動学のバックグラントを持つTVディレクター、地球上で最も奇妙な進化のプロセスを続けてきた人間は幼児化してきた!(2005) デズモンド・モリス氏の序文より (本書の)テーマは、私たちが…

オリジナルを追求することに失敗はない~『 ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』A・グラント氏(2016)

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代【2016年Kindle三笠書房ランキングベスト10書籍】 グラント氏は組織心理学者、「独創性」は、与えられるものではない。すでにあなたの中に存在するのだ――(2016) オリジナルとは 私のいう「オリジナ…

実は20世紀、日本はパワーゲームの主役だった~『優位戦思考に学ぶ 大東亜戦争「失敗の本質」』日下公人氏×上島嘉郎氏(2015)

優位戦思考に学ぶ 大東亜戦争「失敗の本質」 大東亜戦争における日本の「失敗の本質」とは何か? それは、「戦争設計のなさ(政治的に何を勝利とするかが不分明)」であったこと。我々はここから何を学ぶか?(2015) 優位戦思考 優位戦は、攻めることも守る…

世界一周に目的はあるのか?~『行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅』石田ゆうすけ氏(2006)

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫) 石田氏は旅行作家、「平穏な人生?それが運命なら自分で変えてやる!」そう決意してこぎだした自転車世界一周の道。出会いと別れを繰り返しながら駆け抜けた七年半の旅。(単行2003年、文庫2006)…

将来自動車運転は乗馬の様なスポーツに戻るのかもしれない¥~『 サイエンス異人伝 科学が残した「夢の痕跡」』荒俣宏氏(2015)

サイエンス異人伝 科学が残した「夢の痕跡」 (ブルーバックス) 荒俣氏は作家、 発明品と発明者の伝記を読み解く(1995年単行、2015新書) 路上の交通機関 路上の交通機関は、19世紀後半に、ひとつの黄金期を迎えていた。まず、馬車であるが、パリやロンドン…

そうか、私が知らなかっただけなんだ~『ビジュアル マーケティング・フレームワーク』原尻淳一氏(2016)

ビジュアル マーケティング・フレームワーク (日経文庫) 原尻氏はマーケティング・コンサルタント、マーケティング・フレームワークを活用し、本質を忘れずに押さえることで、私たちは失敗しにくい筋の通ったビジネスプランを素早く作ることができます。(20…

大切なのはパッションをどの方向に向けるか?~『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 』森岡毅氏(2016)

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫) 森岡氏はUSJの元CMO(チーフマーケティングオフィサー)、 後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション・・・斬新な戦略でV字回復活したUSJの軌跡をキーマンが綴…

実はマイナーな話題がウケる~『 雑談力 』百田尚樹氏(2016)

雑談力 (PHP新書) 百田氏は小説家、本当に面白い話題とは、「話し手が一番興味がある話題」である。そしてその話の構成を工夫しさえすれば、誰もが引き付けられる話になるのだ。(2016) 自分が関心を持つ話題 雑談について、多くの人が大きな勘違いをしてい…