毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

物理

物質と物質でないものを区別する方法を知っていますか?~1958年「科学の方法」より

科学の方法 (岩波新書 青版 313) 中谷宇吉郎(1900ー1962)は、日本の物理学者、随筆家。世界で初めて人工雪の生成に成功した事で知られる。1958年刊 物質とは何か? 物質には、色や形や硬さとは無関係に、質量と称すべきものがあって、それは天秤に、目方とし…

エントロピー最大をビジュアルで観た事がありますか?~書評「データの見えざる手」

データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則 日立製作所中央研究所で2006年に開発されたウエアラブルセンサ「ビジネス顕微鏡」による人間行動の研究が、いま、人間・組織・社会の理解を根本から変えようとしている。2014年9月刊…

どうやってネコは空中で姿勢を変えているか?~マクスウェルの電磁気方程式が説明する場、あるいは体幹の動き

世界を変えた17の方程式 マクスウェルとネコ マクスウェルはいくつもの奇妙な実験を行ない、なかでも、ネコがどうやって、ベッドから数センチの高さで逆さまに落とされてもつねに足から着地するのかを解き明かそうとした。問題は、それがニュートン力学に反…

地球史という視点から観た、ゴーギャンと生命の定義~世界は外から見ないと分からない

我関わる、ゆえに我あり ―地球システム論と文明 (集英社新書) 松井氏は惑星(宇宙)物理学者。 地球進化の歴史は火の球地球からの「冷却」と物質圏の「分化」 地球は生まれた時、どろどろに溶けている状態でした。初め熱く、だんだん冷えていく、これがエネル…

我々は物の見方を180度変えられる~フロンギスト説と酸素

だれが原子をみたか (岩波現代文庫) 原子を見ることすらできない時代になぜその存在を理解できるようになったかを科学史的に記述した本。 フロンギスト説 物が燃えるというのは、その物の中にかくれていた”フロギストン”が外にでることだ、とシュタールとい…

ポストモダンの思想と科学~1997年の「知的詐欺」、ソーカル事件に学ぶ

「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用 (岩波現代文庫) 科学をめぐるポストモダンの「言説」の一部が「当世流行馬鹿噺」に過ぎないことを示し、欧米で激論をよんだ告発の書。 本書の著者によるソーカル事件に端を発する 数学・科学用語を権威付…

原子核は弾力性のある水滴の様、そしてそれは分裂を起こす

現代物理学の父ニールス・ボーア―開かれた研究所から開かれた世界へ (中公新書) ニールス・ボーア(1885-1962) デンマークの理論物理学者]。量子論の育ての親として、前期量子論の展開を指導、量子力学の確立に大いに貢献した。 分裂反応とは、不安定核(重…

物理学が教えてくれる"勇気"とは~将棋を天体観測すると想像してみる

大人のための「数学・物理」再入門 (幻冬舎実用書―芽がでるシリーズ) 吉田氏は物理に関する著作が多い、2004年の刊行。 物理学者による「ゲームの発見」のストーリー 物理学者は、大自然をどのように考えるのだろか?自然を観察し、そこから経験的な法則を見…

不老不死の仙薬と錬金術、現代の分子生物学と量子物理学~そこに共通するもの

錬金術 (中公文庫) 故 吉田 光邦氏は科学技術史の研究家。本書は1963年刊行を文庫化したもの。 「東西の錬金術の諸相を紹介し、そこに見出される魔術的思考と近代科学精神の萌芽を検討する。」 P88ページ唐の皇帝が愛用した丹薬には水銀、砒素、、、 唐の時…

光は手を透過していた!~二次光という言葉を知っていますか?

光とは何か (宝島社新書) 江馬氏は光物理の研究者。 「宇宙で光は見えるか?」クイズの答え(ネタばれ) 真空の宇宙空間では、目の前を通りすぎる光線が見えることはない。私たちが暗い部屋で「光の筋」を見るとき、それは通りすぎる光線そのものを見ているので…

ミドルワールドという言葉を聞いた事がありますか?~物質は動き続けている

ミドルワールド 動き続ける物質と生命の起原 ブラウン運動というと、理科の教科書でなんとなく聞いた覚えがある程度の方は多いと思います。「なんだか小さい粒子がうごめくことなのだろう」という漠然としたことは記憶にあるけど、では何故そういう現象が起…

透明マントは実用化に向けた取り組みが始まっていた~メタマテリアルが光をコントロールする!

透明マントを求めて 天狗の隠れ蓑からメタマテリアルまで (DISCOVER SCIENCE) 透明人間になってみたい。誰しも一度は考えたことがあるはずだ。その証拠に、被ることで透明になることのできる『透明マント』が、古今東西様々な時代の文献に登場する。その、長…

目に見えない電波を見えるようにするには~アンテナの簡単な仕組みを知る事

アンテナの仕組み (ブルーバックス) テレビアンテナは、なぜ地デジは肋骨形、BSは皿形をしているのか? --など素朴な疑問から解き明かす、アンテナと電波の正体。 宇宙の微弱電波を見るのは望遠鏡と同じパラボラアンテナ 電波とは3兆回/秒以下の周波数をもつ…

もし時計から分針が無かったら、と想像してみる~時間もまた主観的な概念である

1秒って誰が決めるの?: 日時計から光格子時計まで (ちくまプリマー新書) 安田氏は産業総合技術研究所、次世代原子時計の研究者 時代と共に1秒の定義も変化している。1秒を計る技術の最前線に迫る。(2014年6月刊) 原子時計の仕組み、原子の振動を図る事(119ペ…

量子論「事始め」、エネルギーは短くみると「飛び飛び」~最初に戻ると易しく理解できる

量子物理学は日常の感覚とあわない。 二つの現象が同時におきる、位置と運動量は同時には決められない、、、、。 量子論の始まりに遡ってみた。 ハイゼンベルク―二十世紀の物理学革命 (講談社学術文庫) 量子論は黒体放射から始まった 村上氏は「量子論がつく…

カロリック(熱素 )、エントロピー、19世紀末の学者ボルツマンを知っていますか?~自分は変われると信じられる為に

死ぬまでに学びたい5つの物理学 (筑摩選書) 山口氏は物理の専攻、「物理は道具ではない、思考軸を得る為のもの」と提唱。 序説は「強く生きるために物理学を学ぶ」 万有引力、統計力学、エネルギー量子仮説、相対性理論、量子力学の5つのパラダイムが紹介さ…

電流って何?~「呼び鈴」が量子力学と相対性理論の持つ意味を明確にする

呼鈴の科学 電子工作から物理理論へ (講談社現代新書) 吉田氏は数学・物理などの著述家。『本書はファラデーの名著「ロウソクの科学」の精神に倣い、一つの主題から湧き出てくる様々な問題を、簡単な実験を通して体感できるように工夫して、電磁気学解説の新…

100年前のSF「解放された世界」から分かる事~未来は常に存在している、思考実験が教えてくれる

解放された世界 (岩波文庫) HGウェルズ著、本書扉より「1950年代.局地的な紛争が世界戦争へと発展,原爆投下によって大惨事がひきおこされる.そして,戦争と国家から解放された新世界秩序に基づく,人権による世界国家成立への動きがはじまる…原爆と核戦争…

常識を少し拡張する~目に見えない電気と磁力をITで最速で理解する!

マイケル・ファラデー―科学をすべての人に (オックスフォード科学の肖像) 1804年、13歳で書店兼製本屋の師弟となり、そこで出会った本をきっかけに科学の道を志す。電気と磁気の科学の開拓者としての数々の発見とともに、『ロウソクの科学』としていまも読み…

電圧と電流を説明できますか?~ビルの「たとえ話」で簡単に理解する

デカルトの悪魔はなぜ笑うのか: 100のアナロジーで読む素晴らしき科学の世界 科学とアナロジー(たとえ話)は密接な関係 科学はわかりにくいと思われがちだ。難しい数式や途方もなく大きいものと小さいものが出てくるからだ。直感も通じにくい。だから科学を教…