文化人類
神話の力 神話はなんのために生まれ、私たちに何を語ろうというのか?(原書は1988、文庫は2010) シャーマン・イグジュガルジュク 彼はカナダ北部のカリブー・エスキモーのシャーマンでね。ヨーロッパからの訪問者に対してこう言ったものだ―『唯一の正しい…
分類思考の世界 なぜヒトは万物を「種」に分けるのか (講談社現代新書) 三中氏は進化生物学の研究家、生物の「種」って何? それは実在するか? (2009) 日本最低の山は? 「日本最低の山」は、大阪湾にある天保山(標高4.5m)と認定されている。国土地理院…
観光大国スイスの誕生: 「辺境」から「崇高なる美の国」へ (平凡社新書 (692)) 河村氏は西洋建築史の研究家、かつてスイスは人々が恐れる山々に囲まれた未開の地にほかならなかった。スイスはいかにして「発見」されたのか。(2013) スイスを観光立国にした…
洞窟のなかの心 ウィリアムズ氏は旧石器時代の壁画の研究家、 ラスコーやアルタミラなど、洞窟芸術は、芸術の起源は数万年前に突如誕生した。芸術はなぜ必要だったのか? 心のどのような機能が、表現にいたるのか? なぜ洞窟の中に誕生したのか?(2012原書は20…
身ぶりと言葉 (ちくま学芸文庫) アンドレ・グーラン(1911-1986)は社会文化人類学の研究家、二足歩行によって頭蓋と手足を発達させた人類が、いかにして「知性」を育み、記憶を外部のアーカイブに託していったのか。(原書は1964、文庫は2012) 我々は機能…
「日本人論」再考 (講談社学術文庫) 船曳氏は文化人類学の研究家、明治以降、夥しい数の日本人論が刊行されてきた。そこには、私たちを繰り返し襲う「不安」がある。(2010) 日本人論仮説 「日本人論」とは、近代の中に生きる日本人のアイデンティティの不安…
アーキテクチャの生態系: 情報環境はいかに設計されてきたか (ちくま文庫) 濱野氏は情報社会論の研究家、ニコニコ動画はどうして日本で生まれたか? (単行は2008、文庫は2015) ニコニコ動画 日本の代表的な動画共有サイトの1つであり、多くの用語や文化を…
一万年の進化爆発 グレゴリー・コクラン氏、ヘンリー・ハーペンディング氏は人類学・集団遺伝学の研究家、人類の進化は過去1万年間に緩慢になった、あるいは停止したという考えかたがある。しかし実際には、むしろ加速している。本書のテーマは、現在、人類…
物語 大英博物館―二五〇年の軌跡 (中公新書) 出口氏は英文学の研究家、 英国の発展とともに、ギリシア、エジプト、アジアへと蒐集品を増やし、「世界一」の名にふさわしいまでに成長した。(2005) 大英博物館という建物 1848年には、「イギリス中で最大…
ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫) トースターをまったくのゼロから、つまり原材料から作ることは可能なのか? ふと思い立った著者が鉱山で手に入れた鉄鉱石と銅から鉄と銅線を作り、じゃがいものでんぷんからプラスチックを作るべく七転八倒。…
ヒトはなぜ絵を描くのか 中原 佑介(1931年- 2011年)は、日本の美術評論家。ラスコーやアルタミラ等の洞窟画をめぐり、その壮大な謎に挑む。(2001) ショーヴェ洞窟 フランス南部ア付近にある洞窟。最古と思われる約3万2000年前の洞窟壁画であるショーヴェ…
グリム童話の世界―ヨーロッパ文化の深層へ (岩波新書)「シンデレラ」「白雪姫」など高橋氏はドイツ文学の研究家、19世紀ドイツのグリム兄弟が編んだメルヘンは、本当は何を語っているのか-。キリスト教が広まる以前の神話・伝承にまで遡り、民衆の習俗や信仰…
文化人類学入門 (中公新書 (560)) 祖父江孝男(1926-2012)は文化人類学の研究家、本書 は2004年増補改訂版による。 文化人類学とは 文化人類学を一言で定義してみると、世界の様々な民族のもつ文化や社会について比較研究する学問だということになる。・・・…
神話の法則―ライターズ・ジャーニー (夢を語る技術シリーズ 5) ボグラー氏はスターウォーウォーズの製作に関わるなど、ハリウッドで脚本担当の役員を務めた。心理学の巨匠カール・G・ユングと「ヒーローズ・ジャーニー」のジョーゼフ・キャンベルの深遠なる…
徳の起源―他人をおもいやる遺伝子 マッド・リドレーは動物学出身のサイエンス・ライター、わたしたちの心をつくっているものは、「利己的な遺伝子」である。それなのに、人間社会には「協力」や「助け合い」があるのはなぜか?(2000年刊) 利己的な遺伝子 本書…
精神と自然―生きた世界の認識論 グレゴリー・ベイトソン(Gregory Bateson, 1904年- 1980年)は、アメリカ合衆国の文化人類学・精神医学などの研究者。ニューギニアの部落からサイバネティクスまで、また精神分裂の世界から生物の進化までを今世紀の知の辺境…
声の文化と文字の文化 WJオングは米国の古典学・英語学の研究家。「書く」ことと、印刷およびエレクトロニクスの技術が、ひとびとの精神、文学、社会のうえにどのように影響を及ぼすか。原書は1982年刊 最初の推理小説 探偵小説は、1841年のエドガー・アラン…
人類史のなかの定住革命 (講談社学術文庫) 西田正規氏は自然人類学。霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約1万年前に放棄する。1986年単行、2007年文庫化 本当に定…
火の賜物―ヒトは料理で進化した ランガム氏は生物人類学の研究家。「人は料理で進化した」、2010年刊 実は料理はカロリーに影響を与えない 摂取エネルギーに対する料理の効果は、牛肉、豚肉、鶏肉、ビートの根、じゃがいも、米、カラスムギ、ペストリー生地…
日本人と遠近法 (ちくま新書) 諏訪氏は文化人類学の研究家1998年刊 「遠近法をもつかもたないかを宗教以外で説明するとしたら、どうなるか」。 浮世絵「お仙と団扇売り」 http://jouraku.kir.jp/user/sub051.php この図がすでに西洋遠近法についての知識をも…
イチョウ 奇跡の2億年史: 生き残った最古の樹木の物語 この愛すべき樹木がたどったあまりに数奇な運命!2億年近く生き延びたあとに絶滅寸前になったイチョウは、人間の手で東アジアから息を吹き返した。 イチョウは2億年前に誕生し、1億5千万年前にピークを…
かくれた次元 ホール氏は米国の文化人類学者。原書は1966年の刊行。 動物の縄張りなどの研究などから対人間の空間認識につなげていく。 ルネッサンスは線型遠近法 ルネッサンスの画家は、遠くの対象の視覚的構成を調べるのに見る人一定においたが、レンブラ…