毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

宇宙

3次元の物質は2次元の情報の投影と考えてみる~物理的制約から開放される

ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い サスキンド氏は理論物理学者「ブラックホールの相補性」や「ホログラフィック原理」といった新しいアイデアが生まれ、それらは今では世界中で盛んに研究されるにいたっている。 ブラックホー…

太陽の明るさは11年周期で変動している~悲観的にならずに済ます為に!

太陽の科学―磁場から宇宙の謎に迫る (NHKブックス) 柴田氏は天文の研究者。 人工衛星「ようこう」「ひので」などの最新成果により、太陽は爆発を繰り返すダイナミックな天体であることがわかった。 太陽の構造と黒点 私たちの目(可視光)では「光球」といわ…

ペガスス座51番星の存在を知っていますか?~パラダイムシフトを実感する為に

ペガスス座51番星は、地球から50.1光年の距離にある太陽に似た恒星。地球から見るとペガスス座の四辺形の近くに位置する。1995年10月6日、太陽外の惑星の存在が初めて確認された。 ペガスス座51番星 - Wikipedia 物質の宇宙史―ビッグバンから太陽系まで 青木…

重力波観測のニュースを「認識」するために~YouTube「重力波望遠鏡」と佐藤勝彦氏のインフレーション理論

時事ドットコム:「大変ありがたい話」=インフレーション理論提唱の佐藤機構長−重力波観測で 宇宙のインフレーション理論と重力波、佐藤氏本人の著作を読む。 宇宙137億年の歴史 佐藤勝彦 最終講義 (角川選書) まずは重力望遠鏡の画像 [ScienceNews]最新鋭…

恐竜が2億年にわたって与えていた環境負荷~それも自然のメカニズム

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー) 川上氏は現生(!)恐竜生態学者。 恐竜は、間違いなく中生代の地球に君臨する王者であった。個々の体の大きさ故に、生態系に占める彼らの生物量は相当に大きかったはずだ。恐竜の存在は、地球にどのような影響を…

レギオモンタヌスという天文学者を知っていますか?~知は力

藤川芳朗氏はドイツ文学の研究家、翻訳家。ケプラーとガリレイ: 書簡が明かす天才たちの素顔 訳者あとがきでレギオモンタヌスについて記している。 レギオモンタヌス~1436-1476 ドイツの天文学者 11歳の時ライプツィヒの大学に入った。ハンガリー国王マーチ…

天文学で考える2100年の「望遠鏡」、それは既に現実~私達が未来を手に入れる為にすべき事

望遠鏡400年物語―大望遠鏡に魅せられた男たち フレッド・ワトソン氏は天文学者「誕生してから400年を経過した望遠鏡について、それにかかわった人々のエピソードをまじえて、発展の歴史、巨大化への道のりを辿った物語」 最初の望遠鏡はいつ生まれたか?~160…

宇宙人はハンガリー人、もう地球に来ている。

フォン・ノイマンの生涯 (朝日選書) マクレイ氏は英国出身のジャーナリスト、原書は1992年の出版。本書帯は「その底知れない知力によって悪魔とも宇宙人とも呼ばれた男―量子論、ゲームの理論、原水爆、コンピュータ、数値気象学…を立ち上げ、20世紀後半の科…

未来からのメッセージを載せた本~時間の等方性と2020年はやぶさ2

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書) 吉田氏は数学・物理学のサイエンスライター。あとがきで「偉人の伝記も、学問の形成史も読まれなくなって久しい。広い層の方々に、世界に冠たる宇宙研の歴史と、そこで働く人々の発想を、人のの和を重ん…

静止衛星打ち上げの軌道

宇宙探査機はるかなる旅路へ: 宇宙ミッションをいかに実現するか (DOJIN選書) 山川氏は宇宙工学および軌道工学の実務者。「人類が有している技術では、ニュートンの重力の法則を無視できるように力強い宇宙機はまだ実現していません」。 静止衛星を打ち上げ…

私は特別な存在、あなたも私同様特別な存在、これって上から目線?~宇宙論より

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス スティーブン・ウェッブ氏は英の物理学者。序文に「本書はフェルミ・パラドックスの本だーエイリアンがいる証拠が見つかってもよさそうなものなのに、いるようには見えないという矛盾の事…

宇宙の形はドーナツ!

トポロジカル宇宙 完全版―ポアンカレ予想解決への道 根上氏は位相幾何学の研究者。本書はトポロジーを使って宇宙の形を想像する方法を展開する。 宇宙の前提条件(かっこの中は地球との比較) ・宇宙は果てが無いのに有限(地球の表面が果てがないのに有限と…

宇宙の形、未来から過去の形が生まれた。

ポワンカレ(1854-1912)、フランスの数学者、論理(あるいは数学)は着想を秩序たてる手法にすぎない、と考えていたという。彼は「宇宙の形が丸いか、丸くないか、」一本のロープとロケットで確認できると考えた。 100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光…

巨大な天体「ヒミコ」をアルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測

宇宙の夜明けにある巨大天体ヒミコの姿 がハッブル宇宙望遠鏡とアルマ電波望遠鏡の観測で明らかに、と発表。 東京大学宇宙線研究所の大内正己准教授(カブリ数物連携宇宙研究機構科学研究員を併任)らは、ハッブル宇宙望遠鏡とアルマ電波望遠鏡による最新の…

2世紀と16世紀をつなぐ’世界の仕組み’に関する本

天文学の誕生――イスラーム文化の役割 (岩波科学ライブラリー) 三村氏は中世科学史の研究家、本書では1冊の本に着目する。 この書物が、ギリシャ天文学の立役者、プトレマイオス(100頃~170頃)の「アルマゲスト」に基づいて、ナスィールッディーン・トゥー…

若田光一船長の搭乗したソユーズの歴史

若田光一船長、のtwitterにすばらしい画像が掲載されている。 https://twitter.com/Astro_Wakata ソユーズとは(Союз) ところで若田氏が乗り込んだソユーズとは如何なるものか?ソユーズは、ロシアの1 - 3人乗り有人宇宙船。ソ連の有人月旅行計画のために製…

佐藤勝彦氏の宇宙論を今読める幸せ

インフレーション理論 宇宙はビックバンによって始まったと思っていた。ビッグバンが発生したメカニズムを理論化しようとしたのが佐藤勝彦氏のインフレーション理論。(1981年) 素粒子物理学者で後にノーベル賞を受賞した益川敏英氏の助言からワインバーグ…

宇宙の扉をノックする byリサ・ランドール博士

リサ・ランドール博士 米国の理論物理学者、1999年にサンドラム博士とともに発表した「warped extra dimensions(ワープした余剰次元)」注目を集め、2005年に一般向けにワープする宇宙―5次元時空の謎を解くを出版しベストセラーになった。博士は我々の住む3次…

夜空はなぜ暗いか~HTS(ハッブル宇宙望遠鏡)

1929年米国天文学者ハッブルは宇宙は銀河系から遠ざかっている事を発見した。 これは当時最新のテクノロジー(2.5メートル望遠鏡と高感度写真乳化剤)が可能とした観測結果る。宇宙は膨張しておりそのスピードは遠くになればなるほど速い。光速を超えた恒星…

宇宙図 ざっくりわかる宇宙論

文部科学省が作った宇宙図というwebがある。 http://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/rule.html サイトに掲載されている宇宙図の説明:この「宇宙図」は、最新の研究にもとづく宇宙の姿を、私たち人間を中心にして描いたものです。(一部抜粋) ざっくりわかる宇…

若田光一氏、国際宇宙ステーションの船長に就任

宇宙飛行士の若田光一氏が米国で8月30日記者会見を行った事が報道された。 宇宙滞在4回目、今回は2013年11月から2014年5月まで国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する予定で今回はISSのコマンダー(船長)も務める予定との事である。ISSは1998年から建設が進め…

イプシロンロケットと"めい王星"

2013年8月27日イプシロンロケットの発射予定が延期されたそうである。 イプシロンとは小型人工衛星打ち上げ用固体型ロケットで省コストを目指した国産ロケット。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%8…