毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

ビジネス

金融業が儲かっていいのか?~『 金融に未来はあるか』ジョン・ケイ氏(2017)

金融に未来はあるか―――ウォール街、シティが認めたくなかった意外な真実 ケイ氏はイギリスのエコノミスト、我々は金融とどうやって付き合っていけばいいか?(2017) かつての銀行の支店長 (1960年代イギリスでは銀行に入って)そこそこ真面目に勤めれば、2…

地球を動かす新しいビー玉を考えよう~『医薬品クライシス―78兆円市場の激震』佐藤健太郎氏(2010)

医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書) 佐藤氏は医薬品メーカーで創薬研究に従事、現在はサイエンスライター。巨額の投資とトップレベルの頭脳による熾烈な開発競争をもってしても、なぜ新薬は生まれなくなったのか?(2010) 創薬は人類最難の事業 …

産業革命以降のビジネスモデルは例外だった?~『 世界史を創ったビジネスモデル』野口 悠紀雄氏

世界史を創ったビジネスモデル (新潮選書) 歴史上の国家を“企業”、その活動を“ビジネス”として理解すれば、新たな視点が得られる。(2017) ローマ帝国の基本的な構造 ローマは、強力な軍隊を持ち、外敵の侵入を撃退しただけでなく、領土を広げてきた。それ…

会社にあって、市場にないものは何か?~『システムの科学』H・A・サイモン(1987)

システムの科学 大組織の経営行動と意思決定に関する生涯にわたる研究で、1978年にノーベル経済学賞を受賞した。(第3版1987年) 人工物とは何か? 人工物を記述するにあたって中心的なことは、内部システムを外部システムに結びつける目標である。内部シス…

50年前に予測されていた、モノづくり信仰の危険性~『 情報の文明学 』梅禎 忠夫氏(1966)

情報の文明学 (中公文庫) 物質とエネルギーの産業化から、精神の産業化へ―。情報産業社会の到来をいち早く予告し、その無限の可能性を人類文明の巨大な視野のもとに考察した、先見性と独創性に富む名著。(初掲載は1963年) モノづくり信仰の危険 農業こそは…

フォードの次にトヨタ、21世紀では”リーン”と呼ぶ『 大野耐一さん「トヨタ生産方式」は21世紀も元気ですよ』三戸 節雄氏(2007)

大野耐一さん「トヨタ生産方式」は21世紀も元気ですよ―写真で見る「ジャスト・イン・タイム」 大野耐一(1912~1990)はトヨタの元副社長、ジャスト・イン・タイム導入を遂行。ジャスト・イン・タイムはどうやって始まったのか?(2007) フォード・システム…

日本に本当の半導体メーカーは存在したか?~『電子立国は、なぜ凋落したか』西村 吉雄氏(2014)

電子立国は、なぜ凋落したか 西村氏は長年に渡り電子産業の記者・アナリストとして活動、かつて世界を席巻し、自動車と並ぶ外貨の稼ぎ頭だった日本の電子産業。 今や、それは夢まぼろしである。そうなってしまった本当の原因は何か。(2014) 携帯電話の場合…

世界最大のバイオ企業成功の秘訣、それは科学~『世界最高のバイオテク企業』G・バインダー氏

世界最高のバイオテク企業 アムジェンは、今でもユニークな企業だ。研究開発に会社の将来を先導させる意思決定をはじめ、多くの企業とは異なるスタイルをもつ。製品開発の方向性を決める「科学」に根ざしたアムジェン流イノベーション経営の要を、元CEOのゴ…

産業のモジュールはいつ始まったのか?~『 モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質』青木昌彦氏×安藤晴彦氏(2002)

モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 (経済産業研究所・経済政策レビュー) モジュール化とは、単なる分業ではない。全体として統一的に機能する包括的デザイン・ルールのもとで、より小さなサブシステムに作業を分業化・カプセル化・専門化すること…

これからやろうとしていることに本当に意味があるか?~『トヨタが実践する価値創造の確かな進め方 リーン製品開発方式』A・ウォード氏(2014)

トヨタが実践する価値創造の確かな進め方 リーン製品開発方式 A・ウォード氏は米軍勤務を経て開発プロジェクトの管理手法の研究を行った人物。自動車において短期間、低コストと高い競争力を持つ製品開発をどうやって行うか、についての専門書。(2014) 無…

お金だけでは未来は作れない~『 ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる』M・ルイス氏(2012)

ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる (文春文庫) サブプライム危機で大儲けした男たちが次に狙うのは「国家の破綻」。アイスランド、アイルランド、ギリシャ、ドイツ、そして日本。(単行は2012、文庫は2014) 元々アイスランドは豊かだった (漁業によって経…

そもそもビジネスとは冒険の旅、である~『 ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ』三枝 匡氏(2016)

ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ 上場企業のCEOに就いてから12年間もの長期にわたり実行した「会社改造」すなわち「改革の連鎖」を追っている。社員わずか340人の超ドメスティックな商社が、いまやグローバル1万人に迫る、世界で戦う企業に転換…

牛丼1杯の原価って、いくらか知っていますか?~『吉野家で経済入門』

吉野家で経済入門 「牛丼1杯の原価って、いくら?」企業秘密をそんなに明かして大丈夫ですか!?(2016) 2014年、熟成肉登場 一言で言えば「寝かせる」ということですね。・・・時間をおくことでタンパク質がアミノ酸のようなうまみ成分に変化するからです。 今…

シャープ経営危機の本質~『イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機』山口栄一氏(2016)

イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機 (ちくま新書1222) 山口氏はイノベーション理論・物性物理学の研究者、 かつて「科学立国」として世界を牽引した日本の科学とハイテク産業の凋落が著しい。(2016) イノベーション型企業シャープ 1912年に…

組織に人間は必要か?~『なぜ日本企業は勝てなくなったのか: 個を活かす「分化」の組織論』太田 肇氏(2017)

なぜ日本企業は勝てなくなったのか: 個を活かす「分化」の組織論 (新潮選書) かつて利点だった日本企業の「まとまる力」が、いま社員一人一人の能力を引き出すことの大きな妨げとなり、組織を不活性化させている。必要なのは、まず組織や集団から個人を「引…

私が新入社員に戻れたらここから始めたい~『最強のNo.2 会社と社会で突き抜ける最強のNo.2を極めろ!』

最強のNo.2 会社と社会で突き抜ける最強のNo.2を極めろ! U25 Survival Manual Series 人事の視点から見た、“普通のサラリーマン”が会社の中で成長し続け、社会で突き抜ける“プロフェッショナルな人材”になる方法。(2013) 組織のために、自分がなすべきこ…

牛丼に肉と玉ねぎしか入っていない訳~『吉野家 ~もっと挑戦しろ! もっと恥をかけ!』安部修仁氏(2016)

吉野家 ~もっと挑戦しろ! もっと恥をかけ! 吉野家人生45年余りの安部会長の挑戦し、乗り越える人生、そして安部会長がオヤジと慕った松田氏をはじめとする先人の教えを吉野家のDNAとして今に、そして未来に引き継ごうとする安部会長の強い意志がこめられてい…

世界的な仕事は小さなチームでも実現できる!~『小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード 』Jフリード氏×Dハンソン氏(2016)

小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF) 大きな仕事は小さなチームでも実現できる。(2016) 小さなチームの成し遂げたこと 僕たちは会社を大きくせずに、小さな企業やグループが楽に仕事できるようなソフトウェアを開発して…

リーダーは誰にでもできる~『僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは「情熱×戦略」』樋口泰行氏

僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは「情熱×戦略」 HPとコンパックの統合を実行し、危機のダイエーを活性化させ、マイクロソフト日本法人の変革をリードした。自分と組織の「殻の破りかた」(2016) リーダーは誰でもできる 経営のプロや変革の…

リーダー何のために後ろを振り返えるのか?~『伸びる会社は「これ」をやらない!』安藤広大氏

伸びる会社は「これ」をやらない! 安藤氏は組織コンサルタント、「経営者が進んで現場に入り、現場の意見を吸い上げる」「こうした手法で、実際に組織の生産性や効率は上がらない(2017年) リーダーとしての社長の間違い 社員から好かれるために、社員の要…

会社の本質とは何か?~『リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル』倉貫 義人氏(2015)

リモートチームでうまくいく マネジメントの〝常識〟を変える新しいワークスタイル オフィスに通勤しなくても働くことのできる「リモートワーク」。(2015) 会社やチームに所属する人たちでも、好きな場所に住んで、通勤しないでも働けるようなワークスタイ…

誰も、組織を100%所有してはいけない~『 歴史からの発想―停滞と拘束からいかに脱するか 』堺屋太一氏(2004)

歴史からの発想―停滞と拘束からいかに脱するか (日経ビジネス人文庫) 堺屋氏は経済官僚出身の作家、中国史に学ぶ「勝てる組織」の作り方(単行は1983年、文庫は2004) モンゴル帝国 モンゴル帝国の出現は、世界史上、おそらく最大の大事件であろう。この帝国…

ハイテク企業に重要なのは技術か、マーケティングか?~『インテル 世界で最も重要な会社の産業史』M・マローン氏(2015)

インテル 世界で最も重要な会社の産業史 「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」つまり「コンピュータの処理能力は指数関数的に向上していく」、1965年、インテルの創業者であるゴードン・ムーア博士が発表した論文に書かれていた半導体の能力に関する洞…

毎日進化すれば、1番になれる~『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA』三木雄信氏

孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術 三木氏はソフトバンク社長室長を経て、事業化として独立。孫正義社長のどんなむちゃぶりにも答えるために必要だったのが、超スピードで、かつ確実に成…

すみません、どうしても仕事がうまくできません~『 不格好経営―チームDeNAの挑戦』南場 智子氏(2013)

不格好経営―チームDeNAの挑戦 南場氏は1999年DeNAを設立、経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に。」――創業者が初めて明かす、奮闘の舞台裏。(2013) すみません、どうしても仕事がうまくできません (最も…

あなたの仕事は楽しいですか?~『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』N・ドシ氏×L/マクレガー氏(2016)

マッキンゼー流 最高の社風のつくり方 社員が生き残りをかけて同僚と戦うか,それとも勝つために競合他社と戦うか,それを決めるのは「社風」だ !(2016) 社風の良い会社 (米国のスーパーマーケットチェーンである)ホールフーズ社の社風に特別な力があるのは…

ストップウォッチを持って仕事をしたことがありますか?~『 生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』伊賀泰代氏(2016)

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの 伊賀氏はキャリア形成コンサルタント、日本企業は生産現場での高い生産性を誇ったが、ホワイトカラーの生産性が圧倒的に低く世界から取り残された原因となっている。(2016) 生産性とは生産現場だけのも…

マネージャ―は部下に任せるのが本当にいいのか?~『HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント 』A・S・グローブ氏(2017)

HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント インテル元CEOのアンディ・グローブが、後進の起業家、経営者、マネジャーに向けて、一字一句書き下した傑作。(原書は1984年、復刊は2017) 部下をどうやってマネージするか? マネージャー…

そうか、私が知らなかっただけなんだ~『ビジュアル マーケティング・フレームワーク』原尻淳一氏(2016)

ビジュアル マーケティング・フレームワーク (日経文庫) 原尻氏はマーケティング・コンサルタント、マーケティング・フレームワークを活用し、本質を忘れずに押さえることで、私たちは失敗しにくい筋の通ったビジネスプランを素早く作ることができます。(20…

大切なのはパッションをどの方向に向けるか?~『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 』森岡毅氏(2016)

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫) 森岡氏はUSJの元CMO(チーフマーケティングオフィサー)、 後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション・・・斬新な戦略でV字回復活したUSJの軌跡をキーマンが綴…